第52回粒々塾講義録

テーマ 「東北学その20 〜惰性からの脱却〜」「惰性」とは、「これまで続いてきた習慣や勢い」をいう。今日、国内に山積する大多数の社会問題も、惰性というぬるま湯に浸かっているだけなのかもしれない。惰性の回転からどのように抜け出すのか?今回の講義…

第51回粒々塾講義録

テーマ 「東北学その19 〜農と食から考えること〜」前回に引き続き、“食”という切り口から、東北について考える講義だった。安藤昌益は、土=人間であると言った。これを今の我々に言い換えてみると、原発事故によって土が汚されたということは、すなわち我…

第50回粒々塾講義録

テーマ「東北学その18〜食糧供給地としての東北」前回、前々回の講義では、東北学とつなげながら「民主主義」というテーマで講義を受けた。普段目の前にあって、あまり考えていないことの一つである「民主主義」。当り前のことを考え直すということは、思…

第49回粒々塾講義録

東北学その17 〜民主主義と民意 つづき〜まずは塾長の講義採録から始めます。 前回も少し触れた立教新座高校の渡辺憲司校長の卒業式式辞を紹介したい。 「福島の海を見よ」立教新座高等学校 卒業式式辞 校長 渡辺憲司 東日本大震災から3年が経過した。 諸君…

第48回粒々塾講義録

テーマ「東北学その16 ~民主主義と民意〜」第48回目の粒々塾は、和歌山大学学長山本健慈氏と立教新座中学校・高等学校校長の渡辺憲司氏の式辞の紹介で幕が開けた。和歌山大学の学長の式辞は、今年の卒業式で述べられたもの。先の東日本大震災時の取り組みを…

第47回粒々塾講義録

東北学 その15 〜支援から自立へ〜 県外へ旅立ち暮らす高校生たちへ”。今回の講義録をこのような意味をこめて書いてみます。県外へ旅立つ高校生たちが、自分たちが福島出身だということを周囲の人に伝えるか伝えないか、真剣に話していたという話を聞きまし…

第46回粒々塾講義録

ちょうど3年が経過した3月11日が塾。 その「3・11から学んだこと」というのがテーマ。 塾生一人一人がその事を考える、話すというのが命題。冒頭、塾長から若干の前ふりがあって。まずは数字としての現状認識。死者は、15、844人、行方不明者は2、633人。…

第45回粒々塾講義録

「東北学その13〜明治維新から見た戦争」1941年から始まったこの国の戦争は幾つかの名前がある。 大東亜戦争、太平洋戦争、第二次世界大戦。 興味深いことに、天皇陛下はこの戦争を「先の大戦」と呼ばれた。 そういう意味では“名前のつけられない戦争”だっ…

第44回粒々塾講義録

テーマ「東北学その13〜明治維新と東北〜」歴史の出来事は点、線、面で捉えなければならない。点を結びつけて“線”とし、やがて面としての“事実”が浮かび上がってくる。−という話からはじまった東北学その13。歴史の通過点をどう評価するか?によって歴史…

第43回粒々塾講義録

「東北学その12〜東北発、日本〜」 *「3・11」を抜きにして、過去も現在も未来も語れない。 体験できた我々は、大変ありがたい。 * 「明治維新」とは何だったのか。 幕末、ペリーの来航。開国要求。幕府は開国に応じる。鎖国ではこの国は立ちゆかなく…

第42回粒々塾講義録

第42回目の粒々塾は「東北学その11 〜あらためて“知る”と“学ぶ”と〜」と題しての講義でした。まず、あらためて「学ぶことの原点」を、論語の中から教わりました。論語の述而編(第7編)に「不憤不啓 不悱不発」という言葉があります。 一般的に、不憤不…

第41回講義録

テーマ「東北学その10 〜原点に立ち返る〜」講義を前に塾長からのお言葉 「もう一度、塾の原点を確認しよう。この塾は、学ぶという志をもった者達の集いの場ではないか?」と。 塾長の話は、講義後の懇親会や、掲示板で活発な意見交換がなされないことへの問…

第40回粒々塾講義録

テーマ「東北学その9〜辺境の地から始めよう 知の歩み〜」東北学のテーマも今回で9回目、今回の講義は塾長の言葉遊びに始まり、以下の質問からスタート。 “福島原発の放射性汚染水除去装置の名前は何でしょう” しばらくの沈黙の後、「アルプスですか?」よ…

第39回粒々塾講義録

テーマ「東北学その8〜方言、もう一つの視点〜」恩返しではなく『恩送り』…送ることは繋げる、広げること… この『恩送り』という言葉は、吉田五月さんが講義録の掲示板にて紹介してくれた言葉だ。 今回の講義のスタートにあたり、塾長はこの『恩送り』とい…

第38回粒々塾講義録

テーマ「東北学その7〜東北人の魂・続き〜」今回は、前回の講義で塾生の一人が塾長に問うたことに答えることから始まった。「学ぶ」とは。 師曰く「知識を得ることではなく、考えることである。学んだら、その先へ進まなければならない。当塾の指針である佐…

第37回粒々塾講義録

テーマ 東北学その6「東北に関わる先人達の魂について。」『敬天愛人』、西郷隆盛が好んでよく使った言葉。よくあちこちで揮毫されてもいる。 『天を敬い、人を愛す』、彼の自己修養と信仰的な天命への自覚という考え方が含まれているというのだ。西郷南洲(…

第36回粒々塾講義録

テーマ 東北学その5 ・・・それは「和」から始まった今回の講義では東北の始まりについてふれられた。日本は大和の国である。その大和の「和」とは・・ まず、「和」という字。読みは、わ・やわらぐ・なごむ・かず・・・ 意味としては、おだやか、のどか、ゆ…

第35回粒々塾講義録

今回のテーマ『東北学その4〜自由民権運動』本題に入る前にある言葉が紹介された。今年3月11日の追悼式、遺族代表の女子中学生の言葉。その要約。『私は、津波の中を必死にもがき薄れる意識の中 木材につかまり黒い海の上に出て 辺りが静まりかえった中…

第34回粒々塾講義録

今回のテーマは“東北学その3、東北人の魂”。東北に、そして福島にある「誰かが何とかしてくれる。」といった「受身の楽観主義」、前回提起されたが。今回は「根拠のない楽観主義」。塾長曰く、被災者の気持ちもわかるが、政府批判、東電批判のみで溜飲を下…

第33回粒々塾講義録

第33回粒々塾のテーマは、先月に引き続き「東北学〜その2」。これまでも塾では、震災を通じて見え隠れしたものをさまざまな角度(テーマ)から検証し、 たくさんのことを考えてきた。 先月に始まった「東北学」というテーマは、学問としての「東北学」ではなく…

お礼

塾生各位過日の塾では「プレゼント」いただきありがとうございました。早速使わせて貰っています。椅子の高さを低くして。 いつもながらの心遣いに感謝です。講義録、望月さんが早速送ってきてくれました。近々アップされることと思われます。次回もまた自ら…

第32回粒々塾講義録

2013年最初の粒々塾。今回の講義内容は、東北学・今「東北」を考える。まず福島を知ることからはじめてみようということで、今回の講義ははじまった。 福島県の地名は、面白いものが多い。 例えば、阿武隈や安達太良。阿武隈は、かつては安福麻と表記してい…

第31回粒々塾講義録

〜今、我々にとっての「正義」とは〜今回は、今年最後の粒々塾。講義録を担当させて頂くこと、光栄に思います。<考えること>前回の「正義」について考える講義から、今回は「我々にとっての」正義。 正義を考えることは難しい。難しいから考える。考えるこ…

第30回粒々塾講義録

今回は記念すべき30回目の講義。 テーマは 〜この国にとっての、今の“正義”とは〜 非常に難しい。 だからこそ、考えて欲しいとの事だった。 「思考停止」という言葉から始まった。 インターネットの普及により、検索にて全て知りうる事が出来る。 書き込む…

第29回粒々塾講義録

第29回粒々塾 今回のテーマは「昭和史(に)学ぶ」です。 あえて、昭和史そのものを勉強する「昭和史(を)学ぶ」ではなく、 昭和史から「今」の日本を学ぶ(考える)ことが今回のテーマです。「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」。 「愚者は己の経験…

第28回粒々塾講義録

アメリカでは9.11。日本では3.11の一年半後。 ちょうどその日にあたる今回の粒々塾は異例の ドキュメンタリー映画鑑賞でした。福島第一原子力発電所事故発生40日後の浜通りの光景や、 住民が住み慣れた故郷から避難させられ、警戒区域となる直前の…

きのうはお疲れさまでした。

塾生各位きのうは長々お疲れ様でした。亮介にビールのお礼をちゃんと言わなかったのが心残り。 それにしても、何回見ても考えさせられる映画でした。いろんな意味で。 諸兄の感想や意見は議事録アップされてからゆっくりお願いします。 五月が昨夜、いち早く…

次回の講義

塾生各位次回の講義は、ちょっと趣向を変えて「映画観賞」にしようかと思っています。映写環境が整えば。地ビール飲みながら。 100分くらいの映画です。字幕スーパーが小さいので、目が悪い人は眼鏡必携で。3.11を考える上での素材になるかと思い。

第27回粒々塾講義録

今回のテーマは、〜“おもてなし”にみる日本人の精神構造〜でした。 たまに耳にはしますね、旅番組で温泉旅館の女将が良く言っている感じでしょうか。 語源と意味は、「もてなし」に「お」を付けた言葉で 「モノを持って成し遂げる」という意味と、 もう一つ…

塾生諸君へきのうはお疲れ様でした。おもてなしの意味をちょっとでもわかってもらえれば。そして、茶の真髄や武士道の精神を、なんとなく心に留めてもらえれば。さらには「ノブレス・オブリージュ」という耳慣れない言葉を。 平クンの弓道で「残心」という言…