第18回粒々塾 講義内容

18回目となる粒々塾。
今回のテーマは、「災後に言葉を探す。(空気の研究その3)」
3.11の大震災以降、様々な「言葉」が飛びかい、それによって励まされたり、
勇気づけられたり、反対に怒りを覚えたり。。。一つの言葉をとってみても、
感じ方は人それぞれです。

例えば、「がんばろう○○」という言葉。
がんばろう東北 がんばろうFUKUSHIMA がんばろう郡山
まるで安物ブランドのように、ガンガン使われすぎてしまって、
ものすごく安っぽい言葉になってしまった気がします。
それを言われた人たちは、「頑張ってるのにこれ以上何をがんばればいいの?」
と思った人も多かったでしょう。
「がんばろう」の押し売りが言葉を退化させてしまい、
それがいつしか暴力に変わってしまう。
それほど「言葉」とは難しいものだということを、改めて学んだと思います。

また「風評被害」という言葉も同じではないでしょうか。
地元の我々が自ら、風評被害風評被害ということで、どんどん自分で
自分の首を絞めてしまってる気がします。風評被害で困っているといえば、
マスコミはその暗く沈んだ表情を全国に流す。
すると福島の人たちは皆暗く沈んでいると思われてしまうでしょう。
でも、実際は皆明るいではないですか!
これこそ「言葉」に惑わされてしまっていると思います。

言葉狩り」の話も印象に残りました。
言葉が軽々しく発してはいけない。

そして、日本の歴史は「差別の歴史」であるということ。
あらためて気づいたことでした。
もしかしたら、自分達も知らず知らずに「差別」の感情を持ってしまって
いるのかもしれない。

塾生からも、心に残った言葉が発表されました。
中でも強く印象に残ったのが、橋本さんが発表した、小学6年生の詩。

〜ありがとう〜
「よかった。」
今日も、一日何も起きなかった。
人間、生きている限り いつ、何がおきてもしかたがない。
だから、私は、
今日一日何もおきなかったことに感謝したい。
そして 神様に ありがとう。

震災前に書かれた作品なのですが、とても考えさせられました。
当たり前のように過ぎていく日常に感謝するのは単純でいて難しいことですね。


「祈る」という言葉、行為。多神教である我々にとって、
祈るとは自分勝手な願いを神様に向かって訴えると思いがちですが、
本当の意味は、自分が何をすべきなのか、それを伝える神の声を聴こうと
耳を澄ませることであり、教えを乞うことであります。震災後の今だからこそ、
真に「祈る」ことで見えてくる考え方や行動があるのではないでしょうか。

長渕剛の「西新宿の親父の唄」の一節
やるなら今しかねえ
やるなら今しかねえ
66のおやじの口癖は
やるなら今しかねえ。。。


一度きりの人生、やるなら今ですね!

                             (高橋記)